おちょやん 第4週 あらすじ・感想
父・テルヲが突然「岡安」に現れる。

このまま「岡安」で働くことを決めた千代。
年季明け後も、そのまま芝居茶屋「岡安」で働くことを決めたおちょやん・千代、岡安の主人や女将・シズにも了承してもらった矢先、突然、父・テルヲが「岡安」に現れ、8年ぶりに見るテルヲの姿に、千代は凍り付く。
大人ぽくなった千代にテルヲは「千代か?」と確認し頬をゆるめる。
テルヲは自分の借金のカタに千代を別の店に身売りしようとの魂胆から、千代を連れ帰ろうとする。

突然、父テルヲが訪ねてくる!
「迎えにきたんや。一緒にに帰ろ。借金は片付いたから、ヨシヲとまた3人で暮らそう」というのだ。
千代はテルヲの話に、
「昔の事を許すわけあれへんやろ。帰って!」
と追い返す。
天海一座が道頓堀の「岡安」に戻ってきた。

道頓堀に天海一座がやってきた
そんな時、2年ぶりに一平の師匠・須賀廼家千之助が率いる天海一座が道頓堀の「岡安」に戻ってきた。
千代は天海一座の今は亡き天海の息子の一平と再会する。
千代は一平から
「嬉しそうにしてるのは、父親が迎えに来たからだろう」と言われ、憎んでいた父ではあるが、一緒に暮らそうと言われて嬉しい気持ちになったことは確かだった。

天海一座の一平
たまたま一平が通りがかった時、テルヲが借金のカタに千代を身売りする話をしていたのを耳にしていた。
その話を一平から聞いた千代は、父・テルヲの話がウソであることがわかり、テルヲを追求する。
「うちは、一人で生きていくて決めたんや。」
「うちは、一人で生きていくて決めたんや。二度とウチの前に現れんといて!」
千代は、父を追い返そうとすると、テルヲは開き治り「もうどうなっても知らんからな!」と捨てセリフを吐いて帰っていった。
テルヲと借金取りが大勢でやってくる。
次の日にテルヲと借金取りが大勢でやってきて、女将シズに、
「テルヲの借金2000円を払え~そうでなけりゃ借金のカタに千代を引き取りに来るからな」
と言っていったん引き上げる。
この借金取りの騒ぎで、岡安の予約客のキャンセルが相次ぎ、お世話になった恩返しをしたいと思っているのに、自分のせいでかえって大迷惑をかけていることが解かった千代は、父の言う通りに他の奉公先に行くことを決意する。
天海一座の千秋楽に千代が舞台に!

千代・天海一座の芝居に出演
翌日、天海一座は客入りが悪かったので公演半ばで急遽、千秋楽を迎えることになる。
しかも主役の須賀廼家千之助は一座を見限っていなくなったので、急遽、代わりに一平が主役をつとめることになり、また女形の漆原がぎっくり腰になって出演できなくなる~等ハプニングが続き、慌てて代役を探すことに、・・
そこに、おにぎりを配りにきた千代に一平が目をつけ、
「居るやんか、本物の女中が~」と急きょ代役をやるよう言われる。
芝居などやったことが無い千代は「急に言われても~」とびっくりし断わろうとするが、

千代、舞台へ上がる
女中の役なので「本物の女中だからちょうど良い!」~と言ってその場で一平から台本を渡され、強引に千代を代役に決め、千代が女中役で出演するはめになる。
千代は、突然舞台に立たされ、お茶を持ってくるシーンで手が震えてお茶をこぼしてしまい、気が動転してセリフも忘れた挙句、思わず出てしまった台本に無いセリフが、「うちはどこにも行きとうない、どこにも行きとうないんや」~と、千代自身の今の心境を強く訴える心迫る演技に、観客は拍手喝采をし、千代はそのあと、ホウホウのていで舞台を退散すると、またその姿に観客の大笑いが場内に響いた。

千代・うちはどこにも行きとうない
天海一座の公演が終わり最後に一平が「また必ず戻ってまいります、必ず・・・」~と、公演半ばで終える悔しさを滲ませながら挨拶をし、何とか千秋楽を無事終えることができた。
千代の演技を見ていた先代女将のハナに、千代に「あんた、役者さんになったらええ」「 あんたはええ役者さんになれる」 と感心される。
女将シズが千代を逃がす。

借金取りが千代を追う
借金取りとテルヲが千代を引き取りにやってくると、
シズは、「千代に用意させるから」といって奥で酒などでもてなしつつ待たせ、
その間にシズの指図で他のお茶子やシズの娘みつえが協力して千代を裏から逃がそうとする。
「御料さんに迷惑がかかる」と、戸惑う千代に、
シズの娘・みつえが怒って「あんたの奉公先はどないな所なのかわかってるのか?」~と。

千代を逃がす みつえ
そして、道頓堀川の船着き場にシズが用意した船頭付小舟で逃がすのである。
シズが借金取りに大芝居を打つ・・

借金取りと対峙するシズ
待たされた借金取がしびれを切らして、奥の部屋に千代を探すがもぬけの殻・・
逃げられた、と解り怒りをぶつける借金取りに、シズは大芝居を打つ・・
「借金2000円いうのは、あんたらがえーかげんに利子膨らませてだけやろ」

「ここに200円おます」
「ここに200円おます。これ以上”よそもん”が調子に乗ったら、どうなるかわかりませんえ」
先代女将のハル
「そういえばこの間、道頓堀に”よそ者”が浮かんでいたなー」「道頓堀を軽く見るとこわいでー」~と話を合す。
シズが「2度とこの街に足を踏み入れんこっちゃ!」~と、ドスの効いたシズの言葉に、借金取りは200円だけ持って、ホウホウのていで引き上げていき、一見落着となる!
「岡安」の面々は、これが作り話だとわかり、「ここは芝居の街だっせー、アッハッハ~」と笑いあい、千代の脱出は見事成功する!
「あんたが幸せになり。それがわての望みや」

船着き場へ向かう千代
シズは、最初から千代を借金取りから逃がすことを考えていた。
今まで自分のために生きられなかった千代を、これからは自分のために生きるようにと説得する。
千代に
「あんた、わてに恩返しがしたい言うてくれたな。せやったら、あんたが幸せになり。それがわての望みや」
「これは旅立ちだす!」

「これは旅立ちだす!」
シズは千代に
「これは逃げるのではなく,旅立ちだす!」
「しんどなったら、いつでも帰っといで」
シズ「気ばれや~!」 千代「おおきに!」
そして、道頓堀川の船着き場にシズが用意した船頭付小舟で逃がすのである。

千代の旅立ち!
感想

この週は、千代がこれからの身の振り方を決めた矢先、父・テルヲの出現により、ヤクザまがいの借金取りが乱入して千代と「岡安」はじめ道頓堀の人々に騒動をもたらし、結果、千代は道頓堀を去らねばならない羽目になる、という内容ですが、とんでもない父親に対し、腹立たしさと情けなさで、千代の気持ちがどんなに苦しいものだったか、と同情します。
この”事件”が、千代自身の身に予想外の転換を強いられることになり、今後の千代の人生を左右する”事件”となったと思います。
シズの言うように、まさに千代の”旅立ち”であり、今後の活躍に期待しましょう!